監査事例の検討の終わりに当たって

 23回にわたった「監査事例の検討」をようやく終わることができました。
 検討した事例の多くは、形式的に重要な虚偽表示のリスク(特別な検討を必要とするリスクまたは不正リスクを含む。)を識別、評価し、識別したリスクに的確に対応する監査手続(具体的には実証手続)が立案されずに、杜撰な監査-十分かつ適切な監査証拠を入手していない監査-の実施となっていたため、重要な虚偽表示を看過していました。
 検討した事例の監査人は、ビジネス・リスクを重視した監査リスク・アプローチについて、本当に理解していたのかという情けないほどの監査-20年ほど昔の監査と同じような監査-を未だに継続しているように思いました。
 そのため、監査人の使命または監査人の立ち位置を真摯に再確認することから顧みないといけないと考えます。また、ビジネス・リスクを重視した監査リスク・アプローチの基本的なことが理解されていないのであれば、我が国の監査は機能しなくなります。
 このような現状の一因に、監基報の理解しづらさがあるように思えます。2018年、2019年、2020年と監査基準の改訂に伴い監基報が改正されています。また、2020年中に数本の監基報の改正が予定されています。
 そのため、四月以降、主要な監基報を読み解く作業を開始したいと思いつきました。
これまで、監基報240「財務諸表監査における不正」(平成27年7月から10月26回)、監基報501「特定項目の監査証拠」(平成28年1月から 2月6回)、監基報505「確認」(平成28年3月から5月9回)、監基報510「初年度監査の期首残高」(平成28年7月5回)、監基報520「分析的手続」(平成29年9月4回)、監基報540「会計上の見積りの監査」(平成29年9月から12月12回)および監基報570「継続企業」(平成30年1月から3月10回) 、ならびに監査保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」(平成28年11月から平成29年8月(途中休止あり)37回)を読み解き、私見を開陳してきました。これらの監基報の読み解きは後回しとして、監基報の改正の目玉である、監基報701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」から、独断と視野狭窄がますます強くなっていますが、読み解きをはじめたいと思います。
長文の監基報であるため、週一回ではどれほどの日数を要するかわからないこともあり、原則として、5日、10日、15日、20日、25日および月末日を掲載日とします。
体調の関係から予定通りいけるか、また気力の関係からいつまで続けることができるかわかりませんが、4月5日から始めます。

忌憚のない、意見、反論、コメント、批判をお願いします。

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