【緊急掲載】【書評】田中智徳著「不正リスク対応監査」(その2)


 著者による財務諸表監査の目的としての不正の発見についての理解および不正に対する監査基準およびリスク・アプローチに関する理解が、評者と大きく異なっているため、書評の(その2)として評者の異端的な見解を、備忘記録代わりに記しておきたい。

財務諸表監査の目的としての不正の発見
 著者は、「財務諸表の重要な虚偽の表示の原因となる不正を発見する姿勢の強化が図られているものの、不正の発見は従来と同様に副次的な目的であり続けていると解される」(p.77)と述べ、平成14(2002)年改訂監査基準は、「重要な虚偽の表示を看過してはならないとしており、積極的に不正を発見することは要求していないと考えられる。…財務諸表の重要な虚偽の表示の原因となる不正を発見する姿勢の強化が図られているものの、不正の発見は従来と同様に副次的な目的であり続けていると解される」(p.77)と論述している。
 反論としての私見を述べるに当たって、ちょっと長くなるが、平成3年改訂監査基準の改訂のきっかけとなったJICPA会長通牒から平成14年改訂監査基準と関連監基報をみていく。長くなるが、ご了承願いたい。
 JICPAは、昭和62年(1987年)2月28日付け会長通牒「最近の会社役員等による不正事件続発に対する監査の対応について」を公表し、「公認会計士監査は不正の摘発を主目的とするものではありませんが『監査の実施に当って、会計上の不正過失の発見に努め、重大な虚偽、錯誤又は脱漏を看過してはならない』ことは、旧監査基準(昭和25年制定監査基準)を引用して説くまでもないところであります。…当該事件が公認会計士監査の有効性に対する社会的信頼に重大な影響を与えるおそれ無しとしない状況等に鑑み、特に記して会計上の不正に対する監査実施上の万全な対応を要望する次第であります」(括弧書き引用者追加)としたことは、不正を看過してはならないとのJICPAの見解を明らかにしたことに注目しておく必要がある。なお、通牒における会計上の不正は、「役員・幹部職員による『横領』『流用』『簿外支出』などの不正」である。
 会長通牒では明らかにされていなかった実施するべき監査手続について、昭和63年(1988年)10月4日付監査第一委員会報告第50号「相対的に危険性の高い財務諸表項目の監査手続の充実強化について」が具体的な監査手続を明らかにした。
 第50号報告は、「財務諸表監査は、不正の摘発を第一の目的とするものではないが、公認会計士監査に対する信頼性を失墜させることがないように…監査計画の立案に際しては、業界の取引慣行や業態を調査し、役職員による不正行為の行われる可能性の程度や、不正行為の行われる可能性のある事項を事前に把握した上で、内部統制組織の信頼性の程度に応じて監査計画を立案するとともに証ひょうの改ざん等の可能性も十分に考慮の上、合理的な基礎を得るまで監査を実施することが必要となる」とした。
 第50号報告における会計上の不正は、「企業の役職者による財産上の不正行為(企業の財産の不正使用、企業の財産の着服、企業への債務の転嫁等)」であり、このような役職者による不正行為に対する具体的な監査手続は、預金、手形債権、貸付金、有価証券、預け在庫となっている棚卸資産、借入金および偶発債務についても、原則として確認を実施することを要求し、「通常の監査手続」を拡大した。
 このように不正行為に対する監査上の対応を明らかにした通牒と第50号報告であったが、実務界では、監査人には不正行為を発見する責任はなく、不正行為を看過しないように努めるという監査人の姿勢と理解されていた。
 しかし、第50号報告は、「財務諸表監査は不正の摘発を第一の目的とするものではない」ものの、監査に対する社会からの期待を裏切らないために監査計画の立案に際して役職員による不正行為の発生可能性を評価し、内部統制組織の信頼性の程度に応じた監査計画を立案して、財務諸表に重要な影響を与える役職者による不正行為がないという合理的基礎を得るまで監査手続を実施することを初めて監査人に要求したことは、少なくとも、監査人が財務諸表に重要な影響を与える役職者による不正行為を発見する責任を負うことを明らかにしたと解することができる。また、この第50号報告に我が国におけるリスク・アプローチの萌芽を見ることができる。
 第50号報告によって拡大された監査手続が監査実施準則において規定されていなかったため、監査基準に規定のないことをJICPA監査委員会で規定できるかどうかについて疑問が生じ、企業会計審議会は、役職者による不正行為が社会的問題となったことへの弥縫策として監査基準・準則の改訂を決定し、いわば応急措置として平成元年5月に報告を追認する監査実施準則の改訂を行った。なお、第50号報告は監査基準委員会報告第10号「不正及び誤謬」(平成16年)の公表によって廃止された。

 平成3年(1991年)に四半世紀ぶりに行われた監査基準・準則の全面改訂の要因は、前回の昭和41年の全面改訂以後の監査実務の進展、監査水準の向上、監査業務の国際化等が顕著になり、商法特例法監査等の監査領域の拡大も急速に進み、他方、不正支出問題を含めて企業会計上のさまざまな不正問題に対する監査人の対応等に対する社会からの批判や期待も高まってきていた(改訂監査基準前文)こともあって、監査基準・準則を全面的に見直す必要性が生じてきたことにあった。
 平成3年改訂監査基準は、財務諸表の重要な虚偽記載を看過しないことを明示し、監査リスク・アプローチを導入して、監査リスクの評価のための分析的手続、二重責任の原則を明確にするために経営者確認書および特記事項を導入した。この改訂監査基準は、我が国の監査基準の歴史のなかではターニングポイントとしての画期的なものであったと考える。
 平成元年(1989年)に改訂された監査実施準則は、不正への対応として、「監査人は、監査計画の設定に当たり、財務諸表の重要な虚偽記載を看過することなく、かつ、監査を効率的に実施する観点から、内部統制の状況を把握するとともにその有効性を評価し、監査上の危険性を十分に考慮しなければならない。
 監査上の危険性を評価するに当たっては、監査対象項目に内在する虚偽記載の発生の可能性を考慮するのみならず、経営環境を把握し、それが虚偽記載の発生をもたらす可能性を考慮しなければならない。」(監査実施準則 五)と規定した。
 この規定の「監査上の危険」は今日の「監査リスク」であり、はじめてリスク・アプローチを導入した規定であるとともに、昭和25年に制定された監査基準にあった「監査人は、監査の実施に当って、会計上の不正過失の発見に努め、重大な虚偽、錯誤又は脱漏を看過してはならない…」(一般基準7)との規定が啓蒙的規定であるとして削除された昭和31年改訂監査基準以来はじめて監査基準等において監査人の重要な虚偽記載(不正・誤謬)に係る責任について明文化した。
 その明文化によって、従来副次的ないし第二次的に扱われていた経営者不正(不正な財務報告と資産の不正な流用)の発見が前面に出てきて、財務諸表の適正性についての意見は財務諸表には(経営者不正による)重要な虚偽表示はないことを監査人が十分な証拠を入手することによって達成されることが明らかにされたと解する。また、この監査実施準則の改訂は、会計不正に対する監査上の対応を根本的に変えたという意味で、わが国の監査実務における大きなターニングポイントであったと解する。
 ただし、JICPAの代表としての企業会計審議会メンバーであった公認会計士中嶋敬雄氏は、「たとえば重要な虚偽記載の概念は、抽象的には企業会計審議会で一応議論されています。それでいわゆる情報監査というのでしょうか、投資家が自分の意思決定の判断を誤らせない重要性なのだ、あるいはそういう内容なのだということは(企業会計審議会で)コンセンサスは得られているはずです」(村山・中島・逆瀬・遠藤共著「改正監査基準・準則の解説」商事法務研究会 平成4年 別冊商事法務 No.142 p.10括弧書追加引用者)として、平成3年改訂監査基準が前提としているのは情報監査(適正性監査ないし適正表示の監査)であり、不正を看過しないよう監査人が姿勢を正すことが求められたが、不正を発見することは監査の主たる目的ではないとするJICPAの立場を明らかにしている。このJICPAの立場により、改訂監査基準・監査実施準則の正しい趣旨が会員に徹底されなかったと思われる。
 なお、企業会計審議会が、改訂監査基準が監査実施準則を大幅に純化し、監査の実施に際しての実務指針の作成をJICPAに要請したことにより、JICPAは平成4年に会則を改正して監査基準委員会を創設した。当初の監査基準委員会の末席を汚していた評者は、委員会等において中島委員長に何回か自分の思いをぶつけたが、その都度委員長は冷静に情報監査であって、それ以上でも以下でもありませんと回答した。改訂監査基準の趣旨が徹底されなかったことに忸怩たる思いがある、

 平成3年改訂監査基準の不正・誤謬に関する実務指針として、平成9年(1997年)3月に監査基準委員会報告書第10号「不正及び誤謬」が公表された。第10号報告書は、監査実施準則五の規定内容を踏襲していることを明らかにし、財務諸表の虚偽記載の原因となる不正・誤謬は、経営者、従業員または第三者による意図的な会計上の不正および意図的ではない誤謬であり、会計処理に関連しないまたは財務諸表の開示に影響しない不正・誤謬は含まれないことを明らかにして、不正が隠蔽行為をともなうことが多いことから、監査の実施過程では不正に関して「懐疑心」を高めることを我が国ではじめて求めた。
 これまで会計上の不正は、粉飾および役職者による不正支出・使途不明金等に限定されているかのように理解されていたが、この第10号報告書によりその範囲は拡大され、明確にされた財務諸表の重要な虚偽記載(重要な虚偽の表示)となる不正やよび誤謬の定義は、今日まで引き継がれている。
 監査人の不正・誤謬を発見する責任に関して、「監査人は、不正及び誤謬による重要な虚偽記載が財務諸表に含まれる危険を評価し、その評価に基づき、不正及び誤謬による重要な虚偽記載を発見できるように監査計画を立案しなければならない。…(必要に応じて修正された)監査計画に従って監査を実施した結果、不正及び誤謬による重要な虚偽記載がないという結論が得られた場合、監査人は財務諸表が適正であるという監査意見を表明することになる」(8項、括弧書引用者追加)と規定している。
 この規定を読む限りでは、監査人は不正・誤謬による重要な虚偽記載(虚偽表示)を発見する責任を負い、財務諸表に不正・誤謬による重要な虚偽記載がないときにかぎり無限定適正意見を表明できると理解すべきと思われる。
 しかし、当時の監査基準委員会副委員長は、「この報告書は、監査人に不正及び誤謬の発見責任を新たに負わすものではなく、あくまでも、今までの監査基準・準則の枠組みの中で、具体的には、監査上の危険性を考慮するリスク・アプローチの枠組みの中で、財務諸表の重要な虚偽記載の原因となる不正及び誤謬の発見に努めることを規定したもの」(インタビュー「監査基準委員会報告書『不正及び誤謬』及び『違法行為』」JICPAジャーナル No.504 Jul.1997 平成9年7月号 p.13)であるとし、「この報告書では、不正及び誤謬の発見そのものを直接的に監査の第一義的目的とはしておりません。…この報告書により、監査人は、不正及び誤謬から生じる虚偽記載で財務諸表に重要な影響を与えるものは発見できるように監査計画を立案し、それに基づいて監査手続を実施し、十分な監査証拠を入手する責任を有していることが明文化されました。これは今までと基本的に変わるものではありませんが、その責任がより明確に示されたといえます」(同上 p.14)と説明し、これまでのJICPAの立場を踏襲して、財務諸表の重要な虚偽記載の原因となる不正及び誤謬を看過しないようにという監査人の姿勢が強化されたと説明している。
 第10号報告書では不正の範囲が拡大されていることから、「今までと基本的に変わるものではない」とはいえない。また、私見では、財務諸表に重要な虚偽記載(虚偽表示)がないことが財務諸表の適正表示または適正性の構成要件となったと解しているが、財務諸表に存在している重要な虚偽記載を発見しないままに監査人が適正意見を表明すれば、監査人の責任が問われることになり、監査人は重要な虚偽記載を発見する責任を負うことが明らかにされたと解する。
 「会計上の不正・誤謬」を看過しないことを求めた昭和25年の監査基準の設定以来、監査論では不正・誤謬の発見責任について、「近代監査の主題である『財務諸表の適正性』とは、裏からいえば不正・誤謬の不存在を意味する。…財務諸表監査では、(監査人は)利害関係者の判断を誤らせないために必要なかぎりにおいて財務諸表の適否を大局的に判断し、それに影響するほどの重大な不正・誤謬のないことを確かめる」(日下部輿市著「新会計監査詳説」p.18、括弧追加引用者)ことが求められていると理解されていた。また、昭和25年制定の監査基準の一般基準 7の会計上の不正・誤謬を看過しないという規定は昭和31年改訂監査基準において削除されたものの、その趣旨には変更はないと解説されていた。
したがって、平成3年改訂監査基準および第10号報告書「不正及び誤謬」は、昭和25年監査基準の一般基準7と同様に、財務諸表の重要な虚偽記載(記載の表示)を看過しないで発見できるように監査を実施することを要求し、財務諸表の重要な虚偽記載の発見責任を二義的にせよ監査人に課したと解する。
 それにもかかわらず、実務上、JICPAのリードの下で監査人は、情報監査であることを理由に、監査が不正の発見には関係しないという立場をとり続けていたため、監査人が積極的に不正の発見に関与してこなかったといえる。
 なお、第10号報告書において我が国で初めて記述された「懐疑心」は、その意味内容が明らかにされなかったこともあって、監査の実務に浸透しなかった。

 平成14年改訂監査基準は、長引く我が国経済の低迷により企業の経営破綻や倒産が続出し、それを発見できなかった財務諸表監査は有効に機能していないのではないかという監査に対する不信感が財務諸表の適正性とは何かという疑問が惹起されたことに起因して、財務諸表の重要な虚偽の表示の原因となる不正を発見する姿勢の強化、ゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)問題への対処、リスク・アプローチの徹底と一層の強化、正当な注意を構成する職業的懐疑心の明確化、内部統制の検証の強化、新たな会計基準への対応や実質判断および監査報告書の充実を図ることを重要なポイントとして改訂された。
 平成14年改訂監査基準は、「重要な虚偽の表示の多くは、財務諸表の利用者を欺くために不正な報告(いわゆる粉飾)をすること、あるいは、資産の流用などの行為を隠蔽するために意図的に虚偽の記録や改竄等を行うことに起因すると考えられる。そこで、監査人はこのような不正等に特段の注意を払うとともに、監査の過程において不正等を発見した場合には、経営者等に適切な対応を求めるとともに、その財務諸表への影響について評価することを求めることとした」(前文2(4))としているが、その具体的な規定である一般基準3は、「監査人は、財務諸表の利用者に対する不正な報告あるいは資産の流用の隠ぺいを目的重要な虚偽の表示が財務諸表に含まれる可能性考慮しなければならない」としているだけであったため、前文において示された改訂の趣旨が正確に伝わらなかったと思われる。
 それでも、「監査人が財務諸表は適正に表示しているとの意見を表明することには、財務諸表には全体として重要な虚偽の表示賀ないことの合理的な保証を得たとの自らの判断が含まれていることを明確にした」(三1(4))としていることは、監査意見の適正性の背後には、重要な虚偽の表示がないことが包含されていることを明らかにしている。換言すれば、財務諸表の適正性の要件として、重要な虚偽の表示がないことが含まれているということである。

 平成14年改訂監査基準は、不正に対する監査人の姿勢を強化し、職業的懐疑心が正当な注意の一部を構成することを明らかにしたものの、監査基準では多くを規定せずに具体的な対応を監査基準委員会報告書に一任した。
 不正への対応を強化することを重要な改訂項目の一つとした平成14年改訂監査基準への対応として、平成14年(2002年)に監査基準委員会報告書第10号を改正し公表した。改正10号報告書の内容は、SAS 82を取込んだ2001年改定ISA240「財務諸表の不正と誤謬を検討する監査人の責任(The Auditor’s Responsibility to Consider Fraud and Error in an Financial Statements)」を我が国に導入した。今日の監基報240の原型である。この改正10号報告書によって、はじめて公式に監査人が不正発見に係る責任を負うことおよび実施する監査手続が明確にされた。
 なお、改正10号報告書は監基報240の新設により廃止されたが、その趣旨は監基報240に引き継がれている。

 以上のような監査基準および監基報の変遷から、財務諸表が適正に表示されているという適正意見を表明することは財務諸表には重要な虚偽表示はないことを意味しているため、今日の財務諸表監査は監査人に重要な虚偽表示を発見する責任を課しており、そのような重要な虚偽表示には不正による重要な虚偽表示が含まれている。
 したがって、監査人は会計上の不正の発見が財務諸表の第一義的目的ではないと抗弁できないことから、不正の発見に積極的に関与しなければならないと解している。


仮説検証アプローチとリスク・アプローチ
 著者は、不正検査のアプローチは、財務諸表監査のリスク・アプローチと同様である(p.175)としているにもかかわらず、監査ではリスクを評価し、リスクが高い項目にについて重点的に対応するリスク・アプローチが用いられるのに対して、不正監査およびフォレンジック・アカウンティングでは、仮説を構築、検証、修正する仮説検証アプローチが用いられているのは、大きな違いであると思われる(p.191)としている。
 リスク・アプローチは、監査リスクの程度を一定として、アサーション・レベル(財務諸表項目レベル)または財務諸表全体レベルのそれぞれにおいて、重要な虚偽表示のリスクを識別・評価して、そのリスクの程度に応じて監査手続を選択し実施するアプローチである。
 著者のいう「リスクが高い項目にについて重点的に対応する」ことは、平成14年改訂監査基準がリスク・アプローチを明確かつ強化したときの説明としてよく用いられていたが、その趣旨は、すべての財務諸表項目に対して旧監査実施準則が例示として規定する監査手続を実施する、いわば総花的な監査手続の実施に対して、財務諸表項目に関連する重要な虚偽表示の程度に応じて監査手続の軽重を考慮して選択し実施することである。
 リスク・アプローチの下では、重要な虚偽表示を識別した財務諸表項目だけでなく、重要な虚偽表示のリスクが低くとも、重要な財務諸表項目に対して監査手続を実施することが求められているため、ほとんどの財務諸表項目が監査手続を実施する対象となる。このことは、リスクを高い項目に絞って監査手続を実施することではないということである。
 また、重要な虚偽表示のリスクを識別・評価することは、重要な虚偽表示の発生可能性を監査人が推定(想定)することであり、それは仮説と言い換えることができる。したがって、監査手続を実施して、十分かつ適切な監査手続を入手するプロセスは、仮説検証プロセスそのものである。
 不正検査における仮説検証アプローチは、利用可能なデータの分析、仮説の構築、仮説の検証、仮説の精緻化および修正という段階を含む(p.176)としているが、そのプロセスは監査実施プロセス(監査の仮説検証プロセス)と同一であるが、その手法・手段または検証のやり方や進め方が異なっているだけである。その相違は、それぞれの目的の相違によって生じているのであり、アプローチの相違ではないと考える。
 さらに著者は、不正に関する監査の基準においては、仮説検証アプローチに関する記述はない(p.191)としている。明確な記述がないことをもって判断するのではなく、その本質を理解した上で判断すべきと考える。

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