財務諸表監査について考える(その31)

監査人の実質判断について考える  今回は、平成14年改訂監査基準が求める監査人の実質判断について考えます。 平成14年改訂監査基準の要求する実質判断  平成14年改訂監査基準は、監査人が「会計方針の選択や適用方法が会計事象や取引の実態を適切に反映するものであるかどうか」(前文三9(1)③)を判断することを求めています。この監査…
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財務諸表監査について考える(その30)

監査人はどのように心証を形成するか  今回は、監査人がどのように心証を形成するかについて考えます。 監査人の心証(再掲)  (その9)において述べたように、監査人の心証は、財務諸表項目およびそれに関連するアサーションの立証(反証)に関して形成される職業専門家としての主観的・内面的な認識です。財務諸表項目に関連するアサーションに…
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財務諸表監査について考える(その29)

アサーションと監査手続の関係について考える  今回は、監査手続によって入手した監査証拠が立証(反証)する対象(目標)であるアサーションと監査手続の関係について考えます。 監査上の対応とアサーションの関連  監査人による監査上の対応は、識別・評価した重要な虚偽表示のリスクの程度に応じて、重要な取引種類、勘定残高または開示(財務諸…
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財務諸表監査について考える(その28)

アサーションについて考える  今回は、監査手続によって入手した監査証拠が立証または反証する対象である「アサーション」について考えます。 アサーション、監査要点と要証命題  「アサーション」は国際監査基準(ISA)では“assertion”と表記されていますが、「主張」では意味が通らないため、監基報は「アサーション」としたようで…
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財務諸表監査について考える(その27)

重要な虚偽表示のリスクへの対応について考える  今回は、識別・評価した財務諸表項目レベルと財務諸表全体レベルでの重要な虚偽表示のリスクへの対応について考えます。 財務諸表全体レベルでの重要な虚偽表示のリスクへの全般的対応  財務諸表全体レベルで識別・評価された重要な虚偽表示のリスクへの対応として全般的対応(overall re…
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財務諸表監査について考える(その26)

財務諸表全体レベルでの重要な虚偽表示のリスク-2  前回の財務諸表項目レベルでの重要な虚偽表示のリスクに引き続き、今回は、財務諸表全体レベルでの重要な虚偽表示のリスクについて考えます。 財務諸表全体レベルでの重要な虚偽表示のリスク  財務諸表全体レベルでの重要な虚偽表示のリスクは、全体としての財務諸表に広範に関係し(relat…
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財務諸表監査について考える(その25)

重要な虚偽表示のリスクの識別・評価について考える-1  リスク・アプローチに基づいて財務諸表監査を実施する監査人は、重要な虚偽表示のリスクを厳格に識別・評価して、その識別したリスクに的確に対応することが求められています。しかし、監査人による重要な虚偽表示のリスクの識別・評価が、監査人の十分な判断に基づいたものではなく、ときとして形式的…
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財務諸表監査について考える(その24)

監査上の重要性について考える-2  今回は、監査を実施する際に利用する「監査実施上の重要性」、「許容可能な虚偽表示」および「許容金額」について考えます。 監査実施上の重要性  監査計画の策定・立案に際して監査人が想定する重要な虚偽表示は、前回述べたように、単独の大きな虚偽表示のこともありますが、多くの場合、いくつもの小さな虚偽…
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財務諸表監査について考える(その23)

監査上の重要性について考える-1  今回は、「監査計画の策定と監査の実施、監査証拠の評価ならびに意見形成のすべてに関わる監査人の判断の規準」(平成14年改訂監査基準前文 二4)である「監査上の重要性」について考えます。 監査人の予想する虚偽表示  監査人は重要な虚偽表示が財務諸表に存在する場合には的確にそれを発見できるように監…
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財務諸表監査について考える(その22)

監査上の重要性に係る考え方の変遷  今回から監査上の重要性について考えますが、それに先立って、監査上の重要性の考え方を明らかにするため、監査上の重要性に対するSECの批判への対応および米国の変化に対応するためのISAの規定の変遷を概観しておきます。 監査上の重要性への批判とそれへの対応  監査上の重要性(audit mater…
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財務諸表監査について考える(その21)

監査手続について考える-2  今回は、前回提示した監査手続のそれぞれについて簡単に私見を吐露します。 記録や文書の検証  記録や文書の検証(Inspection of Records or Documents)の英語表記“inspection”は、監基報では「閲覧」と表記されていますが、実査とも訳出されているように、監査人が自…
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財務諸表監査について考える(その20)

監査手続について考える  今回は「監査手続」について考えます。 監査手続の定義  監査手続(audit procedures)は、監査人の心証形成に影響・作用する監査証拠を入手するために監査人によって適用される手段、技法、手法のことです。  監査手続の用語法について留意が必要です。監査論研究者は、一般に、監査証拠を入手する手…
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財務諸表監査について考える(その19)

監査証拠について考える-3  これまで二回にわたって監査証拠について私見を述べてきました。今回は、監査証拠について考える最終回として、監基報に記述されている裏付け証拠と補強証拠について、また、十分かつ適切な監査証拠について私見を開陳します。 裏付け証拠と補強証拠  監査証拠の分類として、前回、断定的証拠(絶対的な証拠)(con…
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財務諸表監査について考える(その18)

監査証拠について考える-2  前回は、監査意見を裏付ける監査証拠の定義、監査人の心証を形成させる外的要因、および監査人の心証を形成させる内的要因について私見を展開しましました。今回は、証拠資料の分類と監査証拠の信頼性について私見を開陳します。 証拠資料の分類  証拠資料の分類には、形態別分類、入手源泉別分類、信頼性別分類などが…
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財務諸表監査について考える(その17)

監査証拠について考える-1  監査証拠は、財務諸表監査における重要な概念にもかかわらず、その立証要因と立証結果という二犠牲によって統一的な理解ができていないと批判されています。私見では、心証形成要因(立証要因)を監査証拠といい、監査証拠によって形成された監査人の認識(立証結果)を心証といって両者を峻別して理解しています。今回は、この私…
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【緊急掲載】【論評】2018年9月23日日本経済新聞「監査不信 再び」

 2018年9月23日付日本経済新聞(日曜版)の第一面トップに「監査不信 再び」とのタテ大見出しの山下晃記者による長文の4段記事が掲載された。大見出しは監査関係者を驚かすのに十分な効果があったであろう。そこで、当該記事を要約するとともに、記事に対する所見を展開する。 <記事の要約>  記事は、大見出しの脇に白抜き文字のタテ見出し…
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財務諸表監査について考える(その16)

特別な検討を必要とするリスクについて考える  これまで監査リスク、重要な虚偽表示のリスクなどについて考えてきましたが、今回は、特別な検討を必要とするリスクについて考えます。 特別な検討を必要とするリスク  平成17年改訂監査基準において導入された「特別な検討を必要とするリスク」は、ISAでは「重大なリスク」(significa…
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財務諸表監査について考える(その15)

重要な虚偽表示のリスクについて考える  前回指摘したように、多くの監査に牽連するリスクの主役の座を占めるのは、「監査リスク」およびそれを構成する「固有リスク」(IR)、「コントロール・リスク」(CR)と「発見リスク」(DR)です。それにもかかわらず、監査を実施していく際には、監査リスク・モデル式に示されている、固有リスクとコントロール…
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【緊急掲載】【論評】長吉稿「会計上の見積りの監査における監査証拠の十分性と適切性」

 8月8日の本ブログにおいて長吉眞一明治大学大学院教授稿「不正な財務報告と会計上の見積りの監査」(雑誌「企業会計」9月号)(以下「本稿」という。)について論評した。その際に、教授がこの論文以前に公表された「会計上の見積りの監査における監査証拠の十分性と適切性」(拓殖大学経営経理研究 第111号 2018年2月)(以下「前稿」という。)に…
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財務諸表監査について考える(その14)

監査に関連するリスクについて考える  監査に関連するリスクとして、監査基準や監基報において、監査リスク(audit risk; AR)、固有リスク(inherent risk; IR)、コントロール・リスク(control risk; CR)、発見リスク(detective risk; DR)、重要な虚偽表示のリスク(risk of …
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