監査事例の検討-19会計上の見積り(事業資産の減損処理)

事例の概要  会社は、A事業用資産は過去数年にわたり遊休状態であったが使用する見込みであるとして、使用計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回るため減損損失を認識していなかった。  また、会社は、過年度ではB事業用資産を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としていたが、当該資産の使用方針を実態に合わせて共用…
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監査事例の検討-18会計上の見積り(繰延税金資産の回収可能性)

事例の概要  会社の課税所得は前期までの3期間連続欠損金(前々期と前期は重要な税務上の欠損金が発生)であり、前々期と前期は連続して税引前当期純利益の実績数値が計画数値を大きく下回っていた。また、会社は、前々期では財務制限条項に抵触していたが、前期では子会社からの配当が実施され財務制限条項に抵触しなくなった。  会社は、課税所得が3期…
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監査事例の検討-17会計上の見積り(のれんの評価)

事例の概要  会社は、前期において、主たる事業の業績が低迷しているため、新規事業による多角化を目指して子会社を設立し、他社から営業譲渡により事業を譲り受け、当該子会社事業をスタートさせた。会社は、事業の譲受価格が純資産の時価よりも相当に高額であったため、多額ののれんを計上した。  しかし、子会社の業績は、事業の譲受後(新規設立後)か…
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監査事例の検討-16会計上の見積り(工事進行基準)

事例の概要  会社の建設事業部は、請負った長期大規模工事に工事進行基準を適用して、工事原価総額の見積りに、原材料コスト削減施策によるコスト削減額を含めていた。当該施策の達成状況が工事原価総額の見積りに影響を与える状況となっていた。  当該事業部の当期の売上が大幅に伸びていた。  監査人は、工事進行基準適用工事について、特別な検討を…
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監査事例の検討15-関連当事者との取引

事例の概要  会社は、前々事業年度に、関連当事者(兄弟会社)甲社に対する貸付金が業績の急激な悪化により回収遅延が生じていた。  会社は、前事業年度に、会社の業績の悪化により当該貸付金を簿価で他の関連当事者乙社に譲渡した。この債権譲渡取引は会社にとって重要な取引であったが、資金決済はなく、会社は乙社に対する未収金を計上した。  会社…
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監査事例の検討-14(疑念のある取引)

事例の概要  会社は、業績が低迷している状況を打開するため新規事業の商品販売を開始したが、販売先の開拓が難航していたために新規事業に知見のあるA社を代理店として介在させた。  会社は、A社から期末日近くに販売先が見つかったとの連絡を受けたので、販売先のB社に販売取引契約日(期末日前日)に納品し、売上を計上して、同日にB社から入金がな…
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監査事例の検討-13(直送取引)

事例の概要  会社は、従来の事業から撤退したことから新規事業の開拓が急務であったため、A社から仕入れた商品をB社が委託販売する新規事業を開始した。商品はA社の仕入先メーカーからB社に直送され、エンドユーザーへ販売・納品されていた。当該取引は会社の売上高の約70%を占めていた。B社はA社の親会社であり、代表者も同一人物であった。  会…
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監査事例の検討-12(偽造された売買契約書)

事例の概要  会社は、経営者の知人からの紹介で製造用機器を仲介(仕入・販売)する新規事業-海外の製造会社から仕入れて、国内の販売先に売却する事業-に参入し、販売先に対しては取引に先立って資金を提供して、売上高の約30%を占める製造用機器10 台10 億円の売買契約を締結した。 製造用機器が販売先指定倉庫に到着した時点で所有権が移転す…
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監査事例の検討-11(グループ監査)

事例の概要  会社は多数の子会社および関連会社を有していた。問題の発覚した子会社は重要性がないため非連結子会社であった。当該非連結子会社は、会社グループの主たる事業とは異なった事業を営んでおり、その業界慣行にしたがって仕入に関して前渡金を支払っていた。  監査人は、会社の子会社株式の評価にリスクを認識していたが、その他のリスクは認識…
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監査事例の検討-10(グループ監査)

事例の概要  メーカーである会社が買収により取得した海外販売子会社の売上高は連結売上高の約10%を占めていたが、当該子会社が外国会社であるため会社との企業文化の違いが大きく、子会社の内部統制は構築途上であった。  会社は、主として、当該子会社の管理部門と月次決算報告を通じて業績に関するコミュニケーションを行っていたが、子会社の内部…
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監査事例の検討-9(グループ監査)

事例の概要  会社の中国子会社は前年度に新規ビジネスを始め、業績が伸びていた。会社は当該子会社を重要な子会社として位置付けていた。当該子会社の当年度の棚卸資産が著しく増加していた。  監査人は、当該子会社を個別の財務的重要性を有する重要な構成単位として識別し、構成単位の監査人に監査の実施を指示した。また、新規ビジネスの売上高について…
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監査事例の検討-8(グループ監査)

事例の概要  会社グループのアジア所在の子会社の売上は年々増加しており、直近年度ではグループ全体の約7割を占めていた。当時、子会社所在国の経済は減退傾向にあったが、売掛金は売上増に伴い著しく増加しており、与信限度額を大幅に超えていた。  監査人は、当該海外子会社を個別の財務的重要性を有する重要な構成単位と識別し、構成単位の監査人に関…
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監査事例の検討-7(グループ監査)

事例の概要  会社の連結子会社の社長は、独断により取引先に商品仕入の前渡金として多額の支払いを行っていた。多額の前渡金の精算が行われていないことについて、親会社及び監査人に対し、商品納入により精算可能であると報告していた。  当該連結子会社の事業はグループ内では異業種であり、会社グループの主力事業との関連性が乏しく、グループ会社間取…
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監査事例の検討-6(確認差異の調査)

事例の概要  会社は、得意先からの受注に基づいて、仕入先に製造を発注し、完成後に仕入先から直接納品するという直送取引を行っていた。 会社の主要な顧客である得意先は業界大手であり、取引量が多く金額も大きかった。当該得意先との取引には、得意先の検収書に個人印が押印されていたり、得意先の書式とは異なる受領書が使用されていたりしていた。また…
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監査事例の検討-5(売掛金残高確認)

事例の概要  収した子会社(重要な構成単位)は、会社のノンコア事業である製品の開発販売を行っていた。製品は製造を外部に委託し、販売先には委託先から直送していた。  当該製品の販売は、販売先からは販売代理店を通じて注文を受け、委託先からの出荷による運送会社発行の出荷案内書兼物品受領書に基づいて売上高を認識・計上していた。   当該…
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監査事例の検討-4(新規受嘱・売掛金残高確認)

事例の概要  会社は、株式上場したばかりの特殊装置の製造・販売業であった。会社は、ビジネスについて監査人に、海外取引先との外貨取引が多く、売上から検収まで長期にわたり、売上代金の回収に1年超を要すると説明していた。  監査人は会社と新規に監査を受嘱した。監査人は同業他社での監査経験により業界に精通しているため、会社のビジネスモデル…
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監査事例の検討-3(在庫の検証、売掛金残高確認)

事例の概要  製造業の会社は、原材料の高騰などに伴い数事業年度にわたって業績が低迷していた。製品は自社倉庫および外部倉庫に保管していたが、その過半は外部倉庫であり、入出庫管理を倉庫業者に委託していた。会社は、外部倉庫および外部加工工場への預け在庫に関しては「預け在庫一覧表」を作成して在庫を把握していた。また、会社の得意先数は多く、売掛…
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監査事例の検討-2(収益認識 その2)

事例の概要  建設会社である会社は、大口工事案件が元請会社から一次下請会社を経由して会社(二次下請)に発注されることが決定したため工事収益(売上)を計上した。会社は外注先に手形を振出した。  監査人は売上について不正リスクを識別していた。大口案件の工事未収金(売上債権)について一次下請会社に対して確認を実施したが、未回答であった。代…
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監査事例の検討-1 収益認識(その1)

事例の概要  会社は多数の営業店舗において顧客に継続的にサービスを提供していた。会社は顧客との間でサービス提供契約を締結したときに、サービス提供回数によって定められた料金を受領していた。  売上高はサービス提供時に一回当たりの料金を計上していた。ただし、契約期間終了時に未消化回数があった場合、未消化回数の料金残金相当額を売上計上して…
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【告知】ブログ再開、「監査事例の検討」の開始に当たって

 猛暑を避けるためにエアコンのもとで身を縮め、閉じこもり状態でしたが、10月に入ってようやく猛暑が遠のいたので本ブログを再開します。  本ブログでは、これまで数年間にわたって、監基報に規定されている主要な監査手続を読み解き、そこで検討した結果として到達した私見に基づいてあらためて財務諸表監査について考えてきました。  ブログの再…
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